古文の読み方(2)
前回の記事で、日本語の基本形の説明をしました。
基本形:主語+述語
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基本形:主語(体言+助詞)、述語(用言+助動詞)
体言は「名詞」で、用言は「動詞、形容詞」と説明しました。
古典文法書に、そう書かれています。用言には「形容動詞」を入れるのが普通ですが、ここでは入れません。
今通用している古典文法は、あまりに細かく分析(分解)し過ぎて、本来の「古文を読むこと」「古文を楽しむこと」を阻害しているように感じています。
想像するに、英語教育の英文法の教授法や学習方法の影響を大きく受けているのでしょう。外国の学習では、文の規則、つまり文法を知らなければ一文も読めませんから、文法は欠かせません。
でも、古文は、日本語です。時代的な隔たりはあるにしても、文の並び方はほとんど変わっていないし、単語だって、厳格な意味を求めなければ、60~70%位は、現代語の音から判別できるでしょう。
漢字にルビを振れば、中学生くらいの学力でほとんどの古文本文を声に出して音読できるのです。本文が音読できるようになってから、それから単語の意味や文法を学べば、理解の度合いはより速くなるはずです。
単語や文法の学習の前に、大きな視点から改めて「日本語の文の形」を見ておきましょう。
※学校の古典文法の煩雑さから逃れて、大きな視点で古典の文章を見る力を付けてください。
文は、ある「もの(体)」について、それがどのような状態「さま(相)」であるか、どのような動作「こと(用)」をしているかを、文で伝えます。
文は、「主語 ― 述語」の形で、いろんなことを表現します。
主語で使われる言葉を大きく「体言」と呼びます。品詞でいえば名詞です。
述語で使われる言葉は「用言」で、学校文法では動詞と形容詞ですが、ここでは別に「相言」をもうけて、形容詞はこちらに入れます。
「体言」は、形を持った「もの」です。人間に例えれば「ボディ、身体」に当たります。
「相言」は、有様とか状態を表します。人間に例えれば、「容姿や性格」に当たります。
「用言」は、動きや変化を表します。人間に例えれば、「動作や活動」に当たります。
とすると、文の基本構造、つまり単文は下記のようになります。
「相言」には、形容詞と副詞が入ります。
つまり体言を様相を説明するのが「形容詞」で、用言の様相を説明するのが「副詞」です。
「名詞」「動詞」「形容詞」「副詞」の役割が分かりましたか?
参考までに「助詞」と「助動詞」のリストも表示しておきます。
こちらは、ほぼ学校文法のままですが、出来れば本文の音読を通して、「文の基本構造」の中で意味と役割を理解するようにしてください。
今日は、ここまでにします。
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